現代ドイツの哲学者ヨゼフ・ピーパー著 Über die Tugenden が松尾訳『四枢要徳について—西洋の伝統に学ぶ—』として、2007年4月、知泉書館から出版されました。
ここに目次と解説等、そして誤字・脱字等の訂正を収録して、ご案内します。
伝統を、とくに古典古代のアリストテレスや中世最盛期のトマス・アクィナスを重んじるライプニッツは、倫理学・政治学についても、徳の概念、その不可欠の要素としての習慣の概念、そして四枢要徳についても、よく踏まえていたと私は推測しています。とくに、倫理が私的なものではなく、政治学の中に位置づけられるということ、したがって三つの倫理徳の中では正義が第一番目であるということなど、学ぶところは多いと思っています。
ライプニッツは承知しており、多くのいわゆる近代的哲学者・倫理学者からは消えてしまった徳倫理学を、ピーパーが見事に蘇らせてくれました。